過去に音源化した楽曲たちを、今のFullMooNとしてリ・アレンジして収録した作品。それが『Ancient MooN』シリーズです。 FullMooN インタビュー!

 今年で結成12周年を迎えるFullMooNが、4月17日(水)にミニアルバム『Ancient MooNⅡ』をリリースする。。"Ancient=古(いにしえ)の"という言葉が示すように、この作品は、過去に音源化した楽曲たちをリ・アレンジし再収録した作品。その第二弾作になる。FullMooNが、何故ふたたび『Ancient MooN』シリーズを手がけたのか。その理由を含め、収録した曲たちの背景にせまった。FullMooNは、8月31日に赤羽ReNY alphaでのワンマン公演も決まっている。そちらも、楽しみにしていてほしい。


『blue max』は、原曲を生かして音源化しました。


──『Ancient MooN』シリーズと言えば…。


えれん  過去に音源化した楽曲たちを、今のFullMooNとしてリ・アレンジして収録した作品です。『Ancient MooN』を出したのが2018年10月になるから、約5年半ぶりになります。


ねね  ファンの方々からは、以前から「『Ancient MooN』の第二弾を作ってほしい」と言われていたし、その中でも要望の高かった楽曲を主に入れています。


りん  『blue max』と『effecter』は、会場限定で販売していた作品に収録していた曲たち。完売して以来、再プレスはしてないから、もう手に入らないんですね。だけど、今でもライブで演奏をしていることから、手にしていないファンの方々から「『blue max』や『effecter』の入っているCDがほしい」(当時、3曲目に収録していた『Change song』はリメイクし、『橙』に収録済) と言われていたことも、『Ancient MooNⅡ』を作るきっかけになりましたね。


──良ければ、収録した曲たちの背景を教えてください。


ねね  1曲目を飾った『blue max』は、会場限定販売作の『blue max』に収録していた曲で、今や入手不可能の作品です。それもあって、お客さんたちからは、「何処を探しても手にできない」とずっと言われ続けていて…。


えれん   この作品を発売したのが2015年7月だから、約8年前のこと。『blue max』は、原曲を生かして音源化しました。


りん  元の形を生かしつつも、今のメンバーだからこその形にまとめあげました。


えれん  『blue max』は、今もライブで演奏をしていれば、メンバーの中にも音源として復活させたい気持ちがあった楽曲でもあったからね。


葵  わたしは、全曲初音源化になるんですけど(笑)。『blue max』は、リ・アレンジをしたい気持ちよりも、原曲の持つ良さをそのまま届けたかったんですよね。もちろん、ライブをやっていく中での微妙な変化や進化はありますけど。『blue max』は極力、原曲を生かした形にしています。


りん   自分がFullMooNに加入して一番最初に録った作品が『blue max』なんです。あれから9年くらいの月日が経っているから、少しは成長した姿を形に出来たなとは思ってる。


『サバイバル』は音的な面でもだいぶグレードアップしているから、かなりパワーアップした姿を味わえると思います。


──続く『サバイバル』も古い曲ですよね。


えれん  楽曲を作ったのが2012年頃で、2013年5月に発売したアルバム『CIRCUS』に収録しています。


葵  『サバイバル』は、えれんちゃんが「録り直したい」とずっと言ってた曲だもんね。


えれん  当時、急ピッチでアルバムを作りあげていたから、もうちょっと落ち着いてじっくりと弾きたかったというか、前回、加えきれなかった部分も加えて形にしたい気持ちがあったので、今回、求める形に出来て良かったです。プレイの面でも、当時よりも腕は上達していますし、音的な面でもだいぶグレードアップしているから、かなりパワーアップした姿を味わえると思います。


  『サバイバル』は、今もよくライブで演奏している曲ですけど。もともとが、シンプルな叩き方をしているんですよ。でも、ライブを通して、そこへ自分の味を徐々に加えつつブラッシュアップした結果、原曲よりもハードになった曲として聴けると思います。


ねね   当時、『サバイバル』のレコーディングをしていたときは、歌詞の制作も平行してやっていたから、正直、歌いこなれてないまま録ったんですね。しかも当時の音源って、ロックな楽曲の割には激しさを抑え、けっこう丁寧に歌っていたから、わたしの中には何処か不完全燃焼の面がありました。だけど、それから10年以上ライブで経験を重ねてきたことで、感情面も含め、この曲が求める歌を詰め込むことが出来たし、しっかり声にロックさも出たなと思います。


りん   自分は、今回が初レコーディングでしたけど。原曲のベースラインを若干変え、少し新しさを出しているから、聴き比べられる人は、そこへ気づいてもらえたらなと思います。


FullMooNの中にも早口の曲は増えてきましたけど、早口曲の始まりになったのが『effecter』。まさに、早口の扉を開いた楽曲です。


──『effecter』も、今や入手不可能な楽曲。この曲、りんさんのベースから幕開けます。


りん  『effecter』は、ベース始まりの曲。この曲も、『blue max』と同じ時期に生まれています。Aメロのスラップのフレーズもそうだし、サビのフレーズも、一瞬入るソロも原曲とは異なるように、『effecter』のベースのラインは当時とはだいぶ変えました。その変化や成長を味わってください。


ねね  『effecter』は息継ぐ場所がない、早口の曲なんですよ。ライブで歌うとけっこう疲れるんですけど、お客さんたちが、この曲大好きなんですよ。


葵  ライブ中、ずっと飛び跳ねているもんね。


ねね  自分でも飛んでいるし、早口だし…って、自分でそうしたんですけど(笑)。FullMooNの中にも早口の曲は増えてきましたけど、早口曲の始まりになったのが『effecter』。まさに、早口の扉を開いた楽曲です。不思議なのが、歌っていると早口でも噛まないこと。わたし、普段のMCでよく噛めば、ファンの人たちからもそこを指摘されるけど。でも、「ライブで歌っているときは噛まないね」とお客さんたちにも言われるくらい、歌だと噛まないんです。何ででしょうね(笑)『effecter』はライブで生きるし、ライブで騒げる格好いい曲です。


  収録した5曲の中、演奏人のプレイが一番変わったのが『effecter』になります。これは、プレイヤーみんなに言えることですけど。収録のために変えたのではなく、ライブで『effecter』の生きる形を求めていく中で自然に変わっていったこと。そのうえで、「Aメロのベースとドラムの絡みもちょっと見直そう」という話から、より高度なプレイにもブラッシュアップしています。結果、より大人っぽいリズムになれば、全体的にメリハリも出たし、よりテクニカルな楽曲にもなりました。


えれん  当初はギターも、もっとテクニカルにしようと思ったけど。リズム隊が独特なリズム感を作りあげていたから、ギターは逆にシンプルなほうがいいと思い、原曲以上にシンプルにしています。当時はキーボードのソロが入っていたところを、今回はギターソロにも変えています。


あまりにも一部の声が強烈すぎたから、「1曲なら」と思い、ポップな『DRAWING STARS』を持ってきました。


──『DRAWING STARS』は、とてもキャッチーで胸に染みるメロディアスな楽曲ですよね。


えれん  今回収録した曲の中、だいぶ古めなのが『DRAWING STARS』。まだ、ねねがヴォーカルではない、FullMooN.13時代の楽曲で、2010年頃に形にした楽曲でした。


ねね  ライブでもほとんど演奏をすることがないんですけど。なぜか、「この曲が好き」という一部熱狂的なファンの方々がいて、「ぜひ音源化してほしい」ともずっと言われていました。当初、『Ancient MooNⅡ』はロックな楽曲だけでまとめあげようと思っていたけど、あまりにも一部の声が強烈すぎたから、「1曲なら」と思い、ポップな楽曲も持ってきました。


  ファンの方々のリクエストの声もあったし、ねねちゃんの歌声が入っていない作品もほんのちょっとだけあるから、「こういう機会だからこそ音源化しても良いのでは?」ということで形にしています。


ねね  『Ancient MooNⅡ』の収録曲を発表したときも、ファンの人たちの中、一番熱狂的に喜ばれたのが『DRAWING STARS』なんですよ。あくまでも、一部のファンの人たちですけど(笑)。


えれん  今は、だいぶハード寄りになっているけど、もともと鍵盤奏者かいたバンドとして始まっているから、FullMooNにはそういう時代もあったんだよというのを知ってもらううえでも、いい機会になるかなと思って。


葵  こうやって音源化したからこそ思うのが、この手の歌ものもFullMooNの魅力だからこそ、今後も生かしていけたらなということ。


ねね  正直、昔は『DRAWING STARS』が好きじゃなかったけど。歌う機会を増やしていく中どんどん好きになれば、今では「出会えて良かったな」と思えてる。ただ、ライブではワンマンのときに歌うくらいで、年に1-2回披露するかどうかという楽曲だったけど(笑)。


葵  でも、一部の人たちの熱狂的な声があるから、そういう声にもたまに応える形で演奏をしたりね。


えれん  『Ancient MooNⅡ』を通して音源化もしたので、以前よりもライブで披露する頻度は高くなるはずです。


りん  『DRAWING STARS』は、わたしも弾く上で苦手なジャンルの曲。簡単そうに見えて、けっこう難しいんですよ。だから、レコーディングでは苦労もしましたけど。こうやって1枚の流れで聴いていると、激しい流れの中で歌もの色を強く出した曲が出てくるとすごく新鮮に聴こえるし、FullMooN自体の音楽性を異なる視点から捉えてもらえるから、それも良いなと思ってる。


『青い月』はFullMooNの原点となる曲。FullMooNのファンになった方には、絶対に知っておいてほしい楽曲。


──最後に収録したのが、『青い月』になります。


えれん 『Ancient MooNⅡ』に収録した中で『青い月』が一番古い曲で、アルバム『CIRCUS』に収録しています。じつは、わたしがFullMooN.13へ加入する前の2008年12月に『青い月』は500円CD化しているから、形になるのは3回目です。


ねね  収録した曲たちは大体原曲を生かしてアレンジをしているけど、この曲はテンポが速くなったね。


えれん  『青い月』はFullMooNの原点となる曲。FullMooNのファンになった方には絶対に知っておいてほしい楽曲だからこそ、『Ancient MooNⅡ』を通して、今後FullMooNのことを知ってもらう人たちにも聴いてほしくて形にしました。


葵  『青い月』のドラムって意外とシンプルなんですよ。だからと言って複雑にすると、原曲自体が格好悪くなるから、出来るだけシンプルに。でも、格好良く叩いています。FullMooNのドラムをコピーしたい方がいたら、比較的叩きやすいから入門編としてもお勧めです。


ねね  アルバム『CIRCUS』のときにレコーディングをしたときは鍵盤奏者がいたんですけど。今回は、キーボードソロも含め、鍵盤のパートはギターの演奏に変えています。そこが、以前とは大きく違ったところ。『青い月』はシンプルな曲。だからこそ、いかに感情を乗せて表現をするかが難しいんですけど。そこをしっかりと形にも出来たなと思います。ライブで頻繁にやる曲ではないけど、大事なライブのときほど『青い月』から始める印象も、わたしの中にはあります。


りん  『青い月』は、ベースも本当にシンプル。その中に、どれだけノリを出せるかが勝負になるから、この曲も演奏をするのが難しいんですけど。そこで勝負をする意識で、わたしもレコーディングへ挑みました。わたし、『青い月』のレコーディングは初参加になりました。


それよりも,溜まってきた新曲たちを形にしなきゃでしょ。すでに、手元にはアルバム1枚作れるくらいの新曲があるから。


──『Ancient MooNⅡ』は、FullMooNの軸を成し続けてきた曲たちばかりを収録した作品なんですね。


りん  そうなりましたね。


葵  でも、形にしていない当時の楽曲はまだまだあるけどね。


ねね  ファンの人たちからはすでに、「次の『Ancient MooNⅢ』にはこの曲を入れてほしい」という声も届いているけど…。


りん  まだ『Ancient MooNⅡ』もリリースしてないのにね(笑)。


えれん  ただ、『Ancient MooNⅡ』を作ったことで、今のFullMooNに繋がる入手不可能なハードな曲たちをほぼ形にしたし、残っているのはキャピキャピとした曲たちばかりだから、ひとまずは完結したかなと思ってる。


  ハードな曲たちの中に、1曲くらいそういう歌があってもいいけど。全曲そうなると違うからね。


ねね  1曲ずつ会場限定で出すしかない?


りん  ワンコインで??


えれん  いやいや、それよりも貯まってきた新曲たちを形にしなきゃでしょ。すでに手元には、アルバム1枚作れるくらいの新曲があるから、これからライブで育てつつ、そこからピックアップして次の新作に繋げられたらなという気持ちで、今、新曲たちも完成させ続けているので。


  FullMooNとしての新曲は、昨年3月に出した10年ぶりのアルバム『Dear...』が最後になるから、次は新曲を詰め込んだ作品を出したいよね。でも、一番新しい作品として数えるなら、ダイナマイトビーツの『DANCING BEAT』になるのか…。


ねね  いや、あのバンドはFullMooNとは関係ないから。


  確かに。あれは、東京は井荻を舞台に、埼玉VS横浜の抗争を内部で繰り広げている人たちの音源ですもんね。あの抗争、未だに続いているようです。


FullMooNの活動も12年経ちますし、今年は大きい勝負をかけようと。その一つが8月31日に赤羽ReNY alphaでワンマンを行うこと。


──今後のFullMooNと言えば…。


えれん  8月31日(土)に赤羽ReNY alphaを舞台にワンマン公演「FullMooN 12th ANNIVERSARY ONE-MAN LIVE THE LEGEND OF FullMooN~そして伝説へ~」を開催します。


ねね  今も、『lue max』がテレビ東京系「秋山ロケの地図」の4月度エンディングテーマとして流れていれば、そのリアクションも多くて、新たにファンになってくれている人たちが増えているんですね。


葵  アルバム『Dear...』を出したときにも幾つかタイアップをつけたら、そこから動員が増えだしたしね。


ねね  アルバム『Dear...』の発売をきっかけに、FullMooNに興味を持ってくれた人たちが増えてきたこともあって、いつもの場所でワンマンを行う安心感もいいけど、今年はもっと勝負をしていこうかなと思って。


えれん  FullMooNの活動も12年経ちますし、今年は大きい勝負をかけようと。その一つが8月31日に赤羽ReNY alphaでワンマンを行うこと。そこへ向かって今、いろんな展開も仕込んでいるところです。


ねね  これからも嬉しいお知らせをちょこちょこ小出しにしていくから、そこも楽しみにしていてください。FullMooNは、まだまだ止まらないから!!!!


TEXT:長澤智典


タイトル:『Ancient MooNⅡ』

アーティスト: FullMooN

発売日:2024年4月17日(水)

レーベル:ジリオンモードプロダクション

販売価格:\2,200(税抜価格: \2,000)

収録曲

1.blue max

2.サバイバル

3.effecter

4.DRAWING STARS

5.青い月


FullMooN「blue max」 MV Full

https://www.youtube.com/watch?v=-20wN7KD9sA

撮影協力

伊豆海洋公園ダイビングセンター

伊東市キネマ通り商店街


FullMooN 12th ANNIVERSARY ONE-MAN LIVE

THE LEGEND OF FullMooN~そして伝説へ~

8月31日(土)

場所:赤羽 ReNY alpha

出演:FullMooN / 【GUEST】Risky Melody

時間:開場 15:45 / 開演 16:30

チケット:

▶プレミアムチケット 10,000円(DRINK別)

▶一般チケット 前売り 4,000円 / 当日 4,500円(DRINK別)

【予約】

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